成功者や地位の高い人に思いやり・優しさ・利他性などを備えた人が多いという見解は、偏見だと思う。
恵まれていない立場の人々への差別的な見方の裏返しの表現にもなる。
成功者や地位の高い人は、一般に指導的地位場にあったり、影響力を有する場合もあり、仮にそれらの人々に思いやりのある人が多かったのであれば、優しさのある政策が採られてきたはずであり、格差が広がることも無かったはずである。
多数派の利己主義者の選択した冷たい社会の下で、一部の利他主義者が成功を収めてきたのだろうか。
成功者に利他主義者が多いのであれば、結果や果実の多くが利他に回されるはずであり、はたからはむしろ成功者には見えなくなるのではなかろうか。
施しが多ければ、尊崇につながるようなので、お金持ちにはその機会が多く開かれていて、そういった部分の評価は割り引かれないと公正ではない。
( 個人レベルでは感謝の気持ちを持つのが良いが、一般的・社会的・客観的に考える場合は公正さの視点が重要である。)
成功や富を得て、財を築いて終わりでは、思いやりや優しさや利他性があるとは言えないだろうし、寄付などをしても最終的に自分が得る分が過大なのでは、不十分過ぎるだろう。
思いやりのある人なら、再分配が適宜・適時になされる政策に賛成するはずである。