大切な相手を失って悲しみに打ちひしがれている人に、思いやりを持てと説くのは酷かもしれない。
悲しみや寂しさは、相手への強い想いであり、相手への評価が高いことを表す。
追悼というのもそういうことだろう。
ただ、失ったことに囚われると、得た幸せも見失ってしまう。
大切な相手を思いやることで悲しみを乗り越え、また、幸せをもたらしてくれたことに感謝することができれば、楽しい思い出もよみがえるし、幸せはいつまでも続く。
自分の利益のために他者を思いやるというのではおかしいが、悲しみから救われたいと思う中でも、何が相手のためになるのかと思い及ぶのは、思いやりであろう。