ワクチン接種を進めるという国や自治体の捉え方は、国民の希望に応える行政サービスの提供という意識からは乖離していて、家畜に対するワクチン接種と同じ感覚に陥っているのではなかろうか。
人間が支配者の立場から家畜に強要するように、支配者側の視点から、国民を単なる接種の対象として認識してしまっていることに気づいてこなかったのかもしれない。
その視点を疑うことなく、他者にワクチン接種させようと考えてしまう人も多いのかもしれない。
また、高齢者の中には、自分たちがワクチン接種し終わって、今の感染状況について、若い世代が悪いように思っている人もいるようだが、そもそも、医療の逼迫を防ぐため経済を停滞させる施策を行なってきたのは、主に高齢者側を社会として守るためであり、今の状況も、高齢者側がワクチン接種について社会的に優先された結果である。
40代、50代へのワクチン接種を積極的に進めると国が言っているようであるが、65才以下で重症化しやすい年代を優先すべきなのは当然である。
希望者への提供が遅れてきた行政側の責任について無自覚であり、また、ワクチンを打つ対象としてしか意識されなければ社会的な強要につながるおそれがある。
身体がそうであるように、ワクチン接種に関する主(あるじ)は、各個人である。