情状酌量によって、殺人と暴行・脅迫とで部分的に相殺してしまうことになるのでは、司法として正しいとは思われない。
殺意をもって人を殺害し、正当防衛にも該当しない場合、やむをえなかったとは認定されていないにもかかわらず、情状酌量により、殺人について多少の正当化・合理化がなされてしまう面がある。
情状酌量自体にそのような性質があるとしても、人の命は取返しや手当てができない。
殺害して済ませてしまう選択肢を社会的に忌避する姿勢を厳格に保つ必要がある。
それを逸脱した印象を与える量刑になると問題がある。