心理学・脳科学その他、学問研究が進むことが良いのは当然であるが、注意点を二つ指摘しておきたい。
一つは、十分な検証がなされないまま論文が紹介されただけで、科学的な正しさが必ずしも保証されていない言説もあるのではないのかということ。
もう一つは、人間の傾向が明らかとなっても、その解釈は価値判断によって異なるため、倫理観が大切であることに変わりないということ。
たとえば、戦争と平和に関する心理上・脳科学上の研究が示されたとしても、人類がどのように対処していくべきかは、知性の使い方次第である。