積極的平和主義は、軍事的制圧主義であり、平和主義ではない。
平和主義を積極的に進めるかのように見せかけて、軍事力の行使を正当化する。
言葉の意味や概念を都合良く変える言論には、翻訳が必要になってしまう。
自国の軍事力に制約を課すのが平和主義である。
自国に強い軍事的制約を課している国に対して、軍事力の提供を国際社会が求めるのであれば、本末転倒であり、方向性を見失っていることになる。
銃を持たない人に対して、銃を所持・使用せよと、銃の所持・使用を肯定する人が求める論理である。
強い制約を自国に課さずに、より強い制約を課している国を非難するのは公正ではない。
国連軍に対する貢献についても、軍事的な制約の弱い国のほうが高い協力度を求められるのは当然である。
日本は、平和主義から逸脱して抜け道を利用した分、制約が弱くなってしまっている。
将来の方向性の正しさから外れたことには、現在の正しさもない。
方向性の正しさを理想論として排斥するのでは、その現実主義に正しさはない。