当然に権利を有するとされる者が権利行使をする場合であっても、毅然とした対応が必要な場合もある。
権利行使が容易であるのに越したことはないが、憲法12条でも不断の努力が求められている。
周囲の顔色を気にする・窺うというのは、権利より同調に価値が置かれている場合が多分にあり、それが令和とされるべきではない。
女性が権利などを主張する場合でも、本人による毅然とした対応が必要な場合もある。
男性でも体力差はある。
毅然とした対応といっても、対決姿勢が良いというわけではなく、努力には工夫も含まれるだろう。
不断の努力は国民全体に求められるが、女性として言えない・言いづらいということを前提にしてしまうと、女性が保護される立場で、男性が保護する立場に固定されることになる。
被害者が保護されるべきと考えても認定が問題となり、争いがあれば被害者や加害者が確定するのは裁判ということになる。
自分の正当な権利を守るために主張することは、同じ立場にある他者のためにもなる。
自身について放置することに、見て見ぬ振りと同じような要素がある。
ただ、危険が予想されて怖いということであれば、無理なことを求めることもできず、難しい。
一方で、被害を周囲に知らせるとしても、他者に依存してしまう心情には賛成できない。
被害の届け出先は公的機関であって、周囲の人々ではない。
110番は未成年者でも知っていて、問題は身柄確保・拘束ということになる。
当事者の主張が異なる場合に、事実を知らない者には、傍観者とならざるをえない面がある。
被害者の主張が正しい場合が多いとしても、勘違いや人違いの可能性もある。
雰囲気や感だけでとりあえず犯罪者として扱って良いというわけにもいかない。
確証の無いまま、一方に加担することが正しいとは言えない。
何らかの協力をすることが悪いとも言えないが、間違った対応ということであれば責任がないとも言えない。
それぞれの判断によるしかない。
しかし、 現行犯の扱い方や現行犯に当たるか等について、一般人にはよく分からず、どのように対処すれば良いのか分からない。
窃盗犯が逃げて誰何され追われているのと同じ様な状態もあるのだろうが、誰もが対処できるわけでもない。
とりあえず逮捕に協力するのが良いと判断できる場合もあろうが、盗られた物がある場合には、物を取り返すのと、人を取り押さえるのとが同じ流れになるとしても、盗ったところを目撃していない人が対処するのは難しい。
あまり深く考えずに、捕まえてしまえば結果としては良いということも多いのかもしれないが、立証責任は訴追する側にあるので、冤罪は後に各自で晴らしてもらえば良いと突き放すのも妥当とは言えない。
器具の操作マニュアルのようには事態が一定ではない。
警察などから対処法を示されたとしても、道徳的な正しさは権力側が決めるものではないので、検討が必要となる。
被害を受ければ助けを求めたくなるのは無理もないが、被害を受けている状態から助けてもらうのと、被害から逃れた後の対処は分けて考える必要がある。
交通事故で、けが人がおらず、当事者が警察を待っている状態では、目撃者でない通行人が一緒にいても野次馬になってしまう。
真相が分かっていない人に味方になってもらおうとしても無理な面があることを理解すれば、見て見ぬ振りと嘆く必要もない。
他方で、( 被害が発生しないようにすることが必要なのは言うまでもないが ) 弱者が被害を訴えられなかったり、権利主張することを躊躇せざるをえない状況は、社会として無くさなければならない。
危害が加えられる恐れがある場合に、周囲の人々が見て見ぬ振りをするのは当然問題がある。
ただ、周囲の人々が犠牲になって良いわけではなく、 武器の有無や人数などで違いがあるだろう。
現場で一方当事者の味方をするかどうかということは、実際の被害から助け出すことや、主張できる社会状況を確保するということとは分けて考える必要がある。
警察に突き出すとなると、心理的にも物理的にもハードルが高いので、独り言のように指摘するというのはどうだろうか。
指摘がなされることが多くなることで、被害が減るのではなかろうか。
使える提案かどうか分からないし、ここで提案してみても知られることはないかもしれないし、既にあるのかもしれないが、
「 独り言ですが、身体が触られた気がしました。」といった音声が出るアプリやグッヅはどうだろう。
周囲の人々も気に掛けてくれるだろう。
文句を言われたら、謝って済ませても良い。
絡まれたら、周囲が助けないのがおかしいので、誰かに助けてもらう必要がある。
非営利団体などが、クラウドファンディングなどを使って、作成・頒布・販売してみてはいかがであろうか。
フレーズは色々と考えられるだろう。
「勘違いだったら、ごめんなさい。触られた感じがしました。」
「間違いだったら済みません。身体に触られた感じがしました。」
「気のせいかもしれませんが。」
程度によって使い分けたり。
ロボット的な音声など、声色や口調も色々あるだろう。