北方領土問題について、前に記したところに付け足そうと思ったのだが、どこだったか見つけられなかった。
第二次世界大戦の結果として北方領土がロシア領になったというロシアの主張について。
サンフランシスコ平和条約で日本が千島列島を放棄したからといって、戦争の最終局面で軍事力を背景に無条件降伏を迫った側の国が、後の平和条約で相手国の固有の領土を結果として得ることができるというような論理は、侵略や強盗・恐喝を事後的に正当化する論理であり、理由とならない。
日本による領土放棄が、固有の領土にまで及ぶとする解釈は、国連として採りえないはずであり、解釈上是正できないものであれば、条項自体が改められる必要がある。
連合国が日本の主権を認める際に、固有の領土を失わせるとすれば、領土拡張への非難を拠りどころとしていた自らの立場の正当性を失わせるものとなるからである。
ポツダム宣言、カイロ宣言 ( ポツダム宣言で、カイロ宣言が履行されるべきだとされている。第一次世界大戦開始以降に日本が得た領土などに言及されている。 ) ・樺太千島交換条約・日露和親条約などから、北方領土が日本の固有の領土であることは確かである。
国際関係上の不正義な状態が看過されている状態も不正義であり、是正が促されてしかるべきである。
現在の住民の不利益については、自国の誤りを受け入れなければならない面があるが、日本側には思いやりのある対応が必須である。
領土問題が力関係だけで決定された状態は、安定的なものではない。
力関係を前提とした決定をやめ、理性と思いやりに基づいて解決することが、相互の真の利益となる。